FD&C法(米国の法律)

<FD&C、FDA、510kとは>

FD&Cとは、アメリカの法律の1つです。

日本国憲法に相当する連邦法(United States Code)は、USCと略され、その21巻9章にFD&C法があります。

FOOD DRUG AND COSMETICの略で、食品、医薬品、化粧品の略です(正確には、FEDERAL(連邦の)が最初につく)。
FD&Cactという言い方をします。
act(アクト)とは、法令という意味です。
FD&C法、ということになります。

アメリカ向けの医療機器の開発では、FDA(えふでぃーえー)や510(k)(ふぁいぶてんけー)という言葉をよく聞きます。

FDAとは、FOOD AND DRUG ADMINISTRATIONの略で、食品医薬品局という意味です(正確には、連邦が最初につくようです)。
これは、政府機関で、日本なら厚生労働省の下の機関の医薬局などと同じということです。
政府機関の名称で、法律名ではありません。

なぜ企業の現場で、FDAという言葉がよくでてくるかというと、FDAが監査(査察という)を行い、企業の現場にいくことがあるからですね。
FDAがくるぞ、となるわけで、FDAという用語がよくでてくることになります。

FDAで医療機器の規制を管轄する部署は、医療機器・放射線保健センター(Center for Devices and Radiological Health: CDRH)です。
ですので、実際に届け出等の手続を行うのは、CDRH、ということになります。
CDRHという用語もでてくるときがあるので、このことだということを知っておいた方がいいです。

510(k)とは、FD&C法の一部になります。法律の章番号になります。
FD&C法には、10章あり、その中の5章にある510条の(k)項を意味しています((k)は、アルファベットでの番号、(a),(b),・・・となっている)。
医療機器のクラス分類のクラス2の申請許可について記載されています。

したがって、医療機器の法規制ということになると、日本の薬機法(旧薬事法)に相当するのは、FD&C法、ということになります。
FDAは政府機関の名称で、510(k)は条文番号ということになります。

実際の運用は、連邦規則(Code of Federal Regulation、CFR)という行政法に従って運用されています。連邦規則は、CFRと略され、これもよくでてきます。
CFRは、50まで巻(”タイトル”という)があり、21巻が、食品と医薬品の内容になっているので、21CFRという略称がでてきます。
21巻は、1から1499までパート(部)と呼ばれるものに分かれています。

たとえば、品質システム(QSR(Quality System Regulation(品質システム規制)の略)という)、については、パート820に記載されているので、21CFR820(連邦規則の21巻の820部)という言い方で示されます。

詳細は、21CFR820参照のようになるので、覚えておかないと、なんのことをいっているのかまったくわからないので、知っておきましょう。

ISO13485(品質システム規格)に相当するのが、QSRというもので、現場では、この用語もよくでてきますね。これは、ISO13485(規格)と違い、法律ですので、法規制ということで、守らないと犯罪になります。ISO13485も規格とは言え、法律の中で、ISO13485に従うこと、という文言が入れば、法律と同等になりますので、同じようなものですが。

 

なにかを正確に確認するときには、マニュアル本だと最新情報でない場合もあるので、この部分を見ないとならないので覚えておいた方がいいです。
(もちろん原文は英語ですが、Google Chromeでホームページを表示すれば、すぐに翻訳できますので、だいたいわかります。)。

医療機器業界では、アメリカ向けの医療機器の申請のことを、FDA、と言うことが多いですが、FDAは申請する政府機関の名称になります。
薬機法(旧薬事法)と並べるのであれば、FD&C法、ということになります。

こういった部分の名称でも混乱しますので、よく理解しておかないとなりません。
そうでないと、あまりわかっていない人は、知ったかぶりでおかしな会話になることがあるので、注意しましょう。
だいたい企業の現場では、法律の話はでてこず、やらなければならないからやる、という感じになるので、自分で確認しておくのがいいですね。
たぶん、質問しても、十分な回答がこない可能性が高いです。わけもわからず、上からの指示でやっているパターンになります。

まず、医療機器は、生体に与えるリスクに応じて、クラス分類されます。
クラス1~3に分類されます。
クラス1が、リスクが低く、クラス3が、リスクが高い、ものになります。

このクラス分類によって、CDRHへの申請方法が異なってきます。

クラス1と2は、510(k)申請になります。クラス1の中には、510(k)を免除されるものもあります。
クラス3は、PMA(PreMarcket Approval)申請になります。

したがって、ほとんどの機器は、510(k)申請になるので、まずは510(k)申請を理解しておく必要があります。

ちなみに費用は、下記のような金額になります。

メーカー施設登録(全医療機器対象) : 2,179 ドル(およそ22万円)
510(k)届出(クラス1、2の医療機器対象)   : 4,348 ドル(およそ44万円)
市販前承認申請(PMA、クラス3の医療機器対象): 236,298 ドル(およそ2400万円)

メーカー施設登録は、必須になりますから、医療機器によってこれと合わせた金額が必要になります。
しかし、中小企業であれば免除制度などがありますので、半額以下にできる場合もあります。おおよその金額ということで知っておくといいと思います。

医療機器の製造販売までのプロセスの概要は、下記になります。
詳細は、1つ1つ確認していくしかありませんが、だいたいの流れを理解しておかないとなにをやっているかわからなくなるので理解しておいた方がいいですね。

(1)クラス分類
(2)製品登録申請
(3)施設登録
(4)品質システムの確認
(5)市販後調査

基本的な流れは、製品の登録申請から始まって((1)~(2))、企業の製造施設の登録((3))、品質マネジメントシステムの監査((4))、を行って販売開始となります。
また、販売後の製品の安全管理(不具合がおきていないか、不具合がおきたら回収や改善などをしているか)の面での再審査(5)が必要になってきます。

基本的な流れは日本の薬機法と同じになります。というか、日本が、アメリカにならっていると考えるのがふつうですね。
いまでは、欧州が、ISO規格を使って国際標準となってきているので、欧州のMDDの内容と同じになってきている、と言えるかもしれません。