MDD/MDR(欧州の法律)

<MDDとは>
MDDとは、MEDICAL DEVICE DIRECTIVEの略で、和訳すると、医療機器指令、となります。
これは、欧州という地域の法律です。

例えば、日本国憲法は、これは日本という国の法律です。

欧州地域には、日本国憲法に相当するEU法というものがあります。

EU法の医療機器の法律がMDDとなります。
日本の薬機法(旧薬事法)に相当する法律となります。

指令という名前がついているので、なんなのかわかりにくいのですが、そういうことです。
MDD(医療機器指令)とは、欧州地域に適用される法律です。
ちなみに、EU法は、一次法、二次法、判例の3つの部分で構成されています。

この中の二次法に、規則(Regulation)、指令(Directive)、決定(Decision)、勧告(Recommendation)、意見(Opinion)の5つの内容があります。
その中の指令の中の1つが、医療機器指令(MDD)と言われるものです。

EU加盟国の中で医療機器を取り扱う場合は、これを守らないと犯罪になるわけです。

欧州地域の法律をEU法と呼んでおり、その中の1つが指令と呼ばれる法律になります。
その指令の中の医療機器に関する法律が、医療機器指令という法律で略してMDDと呼ばれているわけです。

欧州地域で医療機器を流通するには、CEマークが入っていないとなりません。
医療機器以外にも玩具や機械製品などもCEマークが必要なものがあります。
このCEマークを記載するには、行政機関に申請をして、承認されなければなりません(正確には、認証機関を通して行政機関に申請する)。
適合宣言書にサインをする自己申請のような理解もされますが、日本、アメリカと同様に、行政機関の承認が必要です。
単純に言えば、行政機関でなく、行政機関が指定した認証機関が行うので、誤解されがちです。
結果的には、行政機関の承認が必要ということなので同じことになります。
意味的には、認証機関がOKを出して、行政機関が印鑑を押すだけ、ということになります。
認証機関が、行政機関と同じという理解になります。

医療機器指令には、3種類の指令(法律)があります。
(1) 医療機器指令(93/42/EEC←これは法律の番号です。これがMDDといわれているものです。下の(2)、(3)以外はすべてこれになります。)
(2) 能動体内埋込み医療機器(90/385/EEC、これは、AIMDといわれる)
(3) 体外診断用医療機器指令(98/79/EC、これは、IVDといわれる)

ここで、(1)のMDDに適用される医療機器であれば、MDDの本文を読んで、法律を守るためにするべきことを確認することになります。
基本的には、本文で概要が述べられて、付属書というもので、具体的な内容が指示されています。
したがって、実際の作業は、付属書に従って確認を進めることになります。

この付属書は、1(Ⅰ)から12(ⅩⅡ)まであります。
この付属書の中には、すべての医療機器が適用される部分と医療機器の種類によって適用を選択する部分があります。

ANNEX Ⅰ: すべての医療機器が適用される基本的な要求事項(必須要求事項と言われる)
ANNEX Ⅱ: 総合品質保証
ANNEX Ⅲ: EC型式審査
ANNEX Ⅳ: EC検証
ANNEX Ⅴ: 生産品質保証
ANNEX Ⅵ: 製品品質保証
ANNEX Ⅶ: EC適合宣言
ANNEX Ⅷ: 特別な場合の要求(試験用機器などの場合)
ANNEX Ⅸ: クラス分類の規定。リスクによって医療機器を分類する方法
ANNEX Ⅹ: 臨床評価についての規定
ANNEX ⅩⅠ: 認証機関についての規定
ANNEX ⅩⅡ: CEマーキングの方法についての規定

※ ANNEX Ⅱ~Ⅶ(2~7): 
MDDに適合するための手続きで、医療機器によって選択して適用する。
適合性ルートと言われていて、どれを選択するかを決める。
自主的に確認するような形になっているが、認証機関の確認で決めることになる。

どういう順番で確認を進めるかというのは、だいたい決まっています。
MDDに適合していることを認証機関に確認してもらって、OKをもらうと、適合宣言書というものがもらえて、そこにサインをすれば完了となります。
しかし、認証機関に確認する前に、事前に準備しておかなければならないのと、ある程度の知識がないと話ができません。
したがって、全体を理解しておく必要あります。

医療機器は、上記の医療機器の3つのどれかに必ず分類されることになります。

この3つに分類されたあとに、さらにクラス分類というものがなされています。
クラスⅠ、クラスⅡ、クラスⅢ、と大きく3分類されています。
このクラスは、上記の医療機器の種類ではなく、リスクによって分類されます。
リスクとは、危険性のことです。
リスクが高ければ、クラスⅢ、低ければクラスⅠです。

<MDRとは>
MDRとは、MEDICAL DEVICE REGULATIONの略で、和訳すると、医療機器規則、となります。
2020年5月にMDDからMDRに移行することになりました。
(2017年の5月から移行期間3年となっており、期限が2020年5月なので、2020年5月で完全切り替えになります。)。
MDDは医療機器指令で、MDRは医療機器規則ということで、法律の種類が異なります。
指令は、EU加盟国の国内法に転換することを指示するものですが、規則は、国内法よりも優先する法律となります。
したがって、EU加盟国で全く同一の法律となります。
MDDの場合は、あくまで国内法に転換された後に、国の法律として運用されます。
国内法に転換される際に、まったく同一にならない場合もあるということになりますが、MDRの場合は、EU法で
そのまま、EU加盟国に適用され、そのまま運用され、国内法よりも優先されることになります。
(イギリス(UK)は、2020年1月31日にEU離脱となりましたので、2020年2月1日からは、EU加盟国でなくなっていますのでEU法が適用されませんので、注意が必要です。)